会社の解散・清算(8)

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6-1 解散時までの貸借対照表、財産目録を作成する

清算人は、解散および清算人就任の登記と併行して、会社の財産状況を調査し、財産目録と貸借対照表の作成を進めなければなりません。(会社法第492条)

調査といっても特別なことをするわけではありません。
毎期毎に行ってきた決算の計算書類を作ると思ってください。

ここで対象としているのは、株式会社または特例有限会社ですから、事業年度終了ごとに必ず決算をやってきたはずです。
解散の場合は、期首から解散の日までが事業年度となります。

1)財産目録

財産目録の作成については、会社法施行規則第144条に定められています。
3項に、区分表示の仕方が定められています。資産・負債・正味資産の3つに分け、さらに内容を示すに適当な名称つけた項目に細分化することができるとされています。

2項に、計上すべき財産については、処分価格を付することが困難な場合を除き、解散日における処分価格を付することになっています。

清算会社は、財産目録に付された価格を取得価格とみなすことが記載されています。

では、処分価格はどう計算するのか? 会社法では、特に定めはありませんので、悩むところです。

例えば
・預金:解散日までの利息を計算し未収入金計上。

・売掛金:貸し倒れ見込額及び取り立て費用を控除した額。

・貸付金:解散日までの利息を未収入金計上。

・棚卸資産:売却可能であれば可能額から売却費用を控除した額。

・有価証券:処分可能額から処分費用を控除した額。

・前払費用、仮払金:契約が解除になることによって、現金が回収できる部分がある場合には、未収入金に計上。それ以外は0評価。

・固定資産:処分可能額から処分費用を控除した額。土地の場合公示価格や近傍取引価格を参考に算出した価格から処分費用を控除した額。更地にして処分する場合は解体処分費用を控除した額。

・無形固定資産:ほとんどのものが0評価、処分できるものがあれば処分可能額から処分費用を控除した額。

・未払金:清算結了までの事務経費、リース解除に伴う違約金、借入金の解散日までの利息、解散日までの期間にかかる所得金額に対する法人税、住民税、事業税など未払金に計上する。

などです。

2)貸借対照表

生産開始時の貸借対照表については、会社法施行規則第145条で定めています。貸借対照表は、144条で定めた方法で作成した財産目録を基に作成しなければなりません。(会社法施行規則第145条2項)

区分表示は、資産、負債、純資産とし、さらに内容を示すに適当な名称つけた項目に細分化することができるとされています。(会社法施行規則第145条3項)

なお、処分価格を付することが困難な資産については、注記にその財産の評価方法を記する必要があります。(会社法施行規則第145条4項)

ということで、財産目録を作成するときの評価の仕方が、いかに正確にできるかということです。
 

6-2 債権の回収を進める

さて、解散が決まったら、債権回収をどんどん進めましょう。

債務の弁済は、公告期間が終了し債務が確定するまで、原則として弁済を進めることができませんが、債権の回収については、随時行うことができます。

次回につづく。

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