会社の解散・清算(7)

5 税務署、県税事務所、市町村に解散の届け出

解散の届け出といっても、提出書類の名称が解散届出書となっているわけではありません。いろいろの届け出を兼ねています。

税務署提出に提出する書類は、異動届出書
県税事務所に提出する書類は、法人の名称変更等の報告書(名称は埼玉県の場合)
市税務担当課に提出する書類は、法人設立・変更等申告書(名称は川越市の場合)

と解散の文字が出てきません。県や市町村では、名称が少しずつ違いますので、事前に確認しておきましょう。

添付書類として、解散したことを証明する書類、通常は登記事項証明書(登記簿謄本、抄本)を添付します。

また、提出期限も「異動届出書」が「異動後すみやかに」となっています。埼玉県の「法人の名称変更等の報告書」は「変更後10日以内に」となっています。それぞれ違いますが、提出するときは同じ日に一度に済ませるのがよいと思います。

なお、顧問税理士がいる場合には、これらの書類は、税理士が手続きをしてくれるでしょう。

このほか、建設業許可や宅地建物取引業許可など営業に際し、各種許認可を得ている場合には、その根拠法令等に基づき、解散や廃業の届け出が必要になります。

次回に続く

会社の解散・清算(6)

4 官報に、解散の公告を掲載、既知の債権者に解散を通知する。

 解散した場合には、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れたる債権者には、各別にこれを催告しなければならないとされており、その期間は二ヶ月を下回ることができないと定められております。(会社法第499条)

 公告には、当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならないことになっています。もし、債権者がこの期間に申し出をしなかった場合には、清算から除斥されてしまいます。後から請求しても残余財産の範囲内でしか弁済を受けられません。

 会社法では、株式会社等、会社法を根拠とする法人の解散公告は1回のみで良いとされてます。なお、会社法が適用されない次の法人については従来通り3回の掲載が必要です。

 会社法が適用されない(会社法を根拠としない)法人の例
財団法人、社団法人、医療法人、学校法人、管理組合法人、漁業共済組合、漁業生産組合、社会福祉法人、宗教法人、森林組合等。 

 官報に掲載する場合、1行に書ける文字数が22文字に決まっています。また、1行当たり2854円になります。

一般的な解散公告の例ですと

解散公告
 当社は、平成00年00月00日開催の株主
総会の決議により解散いたしましたので、当社に
債権を有する方は、本公告掲載の翌日から二箇月
以内にお申し出下さい。
 なお、右期間内にお申し出がないときは清算か
ら除斥します。
平成00年00月00日
 埼玉県川越市宮元町一丁目00番0号
        あいうえお株式会社
          代表清算人 日本 太郎

以上のとおり必要事項を記入すると、最低でも11行になると思います。
11行×2854円=31394円必要になります。

申し込みは、各県毎に官報販売所がありますので、そちらで申し込みできます。
官報販売所一覧

解散公告については、兵庫県官報販売所のホームページが詳しく参考になります。

次回に続く

 

 

会社の解散・清算(5)

3 解散の登記、清算人及び代表清算人選任登記をする 。

1) 臨時株主総会で解散の議決を行い解散が決まったなら、解散の日から2週間以内に、本店所在地で解散の登記を行わなければなりません。(会社法第926条)
 登記事項は、解散の旨並びにその事由及び年月日です。(商業登記法第71条)

2) 併せて清算人の登記も行います。
 清算人の登記、清算人会設置会社の登記も、解散の日から2週間以内に、本店所在地で行わなければなりません。(会社法第928条)
 登記事項は、清算人の住所・氏名、代表清算人の住所・氏名、清算人会設置の場合には、その旨です。

 通常、解散の登記と清算人及び代表清算人選任の登記は1つの申請書で同時に行っています。
3) このときの添付書類は、
 (1)臨時株主総会議事録 1通
 (2)清算人就任承諾書 各1通
 (3)清算人会議事録    1通(清算人会で代表清算人を選定した場合)
 (4)代表清算人就任承諾書 1通(清算人1人の場合は必要なし)
 (5)清算人の印鑑証明書 各1通(清算人全員について必要、発行日から3ヶ月以内のもの)
 (6)定款            1通(特例有限会社の場合は、必要なし)

4) 解散の登記の登録免許税は、3万円、清算人の選任又は就任の登記の登録免許税は9,000円です。

5) 代表清算人の印鑑登録も併せて行います。
 解散登記をしますと、代表取締役印鑑証明書の交付を受けられなくなります。解散後は代表清算人が会社を代表しますので、代表清算人の印鑑登録をしておく必要があるのです。印鑑は、これまで使用してきた代表取締役員を再利用できます。また、印鑑カードも継続使用できるようにしておけば、改めて印鑑カードの交付申請をしなくても済みます。

次回に続く

 

会社の解散・清算(4)

2 清算人が複数の場合、清算人会を開催し、代表清算人を選任する。

1) 清算株式会社の清算人になれるのは、
 (1) 取締役 ((2)、(3)に掲げる者がいる場合を除く)
 (2) 定款で定める者
 (3) 株主総会の決議により選任された者
 上記(1)、(2)、(3)によって清算人となるべき者がいない場合、利害関係人の請求により裁判所が清算人を選任することになります。

 (2)の「定款で定める者」とあるが、通常では、定款に清算人について規定している会社は少ない。ほとんどが(3)の「株主総会の決議により選任された者」が清算人になるケースである。

 (2)の定款による定めもなく、株主総会による選任も行われなかった場合は、(1)に該当し、取締役全員が清算人になり、代表取締役が代表清算人になります。

 株主総会により複数の清算人が選任された場合は、清算人会を設置し、代表清算人を選定することになります。(会社法第489条第3項)

 清算人が1人しかいない場合は、その者が当然その者が代表権を有します。

2) 清算人の職務
 ・現務の結了(会社法第481条1号)・・・・・・会社解散後のまだ完了していない事務を最後まで行う。
 ・債権の取立て及び債務の弁済・(会社法第481条2号)・・・・・公告期間が終了し、債務が確定した後でないと弁済は出来ません。
 ・残余財産の分配(会社法第481条3号)
 ・清算株式会社の業務の執行(会社法第482条)

3) 清算人の任期
 就任から清算結了までが通常の任期となります。

次回に続く

 

 

会社の解散・清算(3)

前回、会社の解散・清算の流れについて書きましたが、それぞれの項目について、もう少し説明を加えたいと思います。

1 臨時株主総会開催、特別議決により解散することを決定、併せて清算人を選任する。

1) 会社解散の議決は特別議決になります。特別決議は適用となる法律により異なりますが、ここで対象となるのは株式会社(株式譲渡制限会社)と特例有限会社です。

株式会社の場合は、
 「議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。」(会社法第309号第2項)

特例有限会社の場合は、
 「総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、当該株主の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。」(会社整備法第14条第3項) 

従って、社長が議決権以上の株式を有していないと、社長の一存で解散の議決をするのは難しくなります。

2)まず、解散スケジュールを作りましょう。
 解散日から清算結了登記まで最短で2ヶ月以上かかりますので、その間に会社の事業年度終了月が入ったりすると清算事務が煩雑になります。また債権回収、債務弁済等に係る期間も考慮に入れ、スケジュールを大まかでもよいから作りましょう。また、解散日以降の営業活動はできなくなり、清算事務に関わる社員以外は、全員退職となります。

3) 臨時株主総会に付議する議案を用意します。
 第1号議案 当会社解散に関する件
 第2号議案 解散に伴う清算人選任に関する件
 第3号議案 定款変更の件(必要応じて議案とします。)

 取締役会が設置されている会社では、総会に先立ち総会付議事項を取締役会で承認を得る必要があります。

4) 次に、定款記載の方法により招集通知を出します。(定款に特に定めがない場合には会社法や会社整備法の規定によります。)

5) 臨時株主総会を開催します。
 解散が承認されますと取締役は退任することになり、清算人が会社を代表することになります。なお、監査役は引き続き残ります。

6) 臨時株主総会議事録を作成します。解散登記申請に添付することになりますので、しっかりと作っておきましょう。

解散日は、通常は臨時株主総会開催日となります。(解散日を特に指定することもできますが、その場合は総会開催日と指定日までは出来るだけ短くしましょう。間隔が長いと登記申請が受理されない場合がありますので注意が必要です。)

次回に続く

 

Copyright (C) Administrative Solicitor Office Watanabe, All rights reserved.
行政書士ワタナベ事務所
〒350-0838 埼玉県川越市宮元町75番地18 電話・FAX 049-277-7114