老い支度について(任意後見契約)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

判断能力が落ちてきたときのために、どう備えればよいのでしょうか?

身体能力が衰えてきてから、判断能力が衰えてくる方もいれば、先に判断能力が衰えてくる方もいらっしゃいます。

介護サービスを利用するための契約は、本人名で行い、子供などが保証人として署名押印することになります。介護施設、病院等への入退院手続きにおいても同様です。

したがって、本人が契約内容等を理解できない、すなわち判断能力が衰えている場合には、本来契約できない。

この場合、後見人が本人に代わって契約することになります。

後見には、法定後見制度と任意後見制度があります。

法定後見制度は既に判断能力に欠けている場合に利用する制度です。本人の意思と関係なく、家族等が成年後見等開始の審判申立を家庭裁判所におこない、成年後見人等を決めてもらいます。

一方任意後見制度では、まだ本人に判断能力がある内に、自分の信頼する人に、委任する内容を自分で決めて、任意後見契約公正証書を作成しておき、いざ判断能力が低下したというときに、任意後見監督人選任の申立を家庭裁判所に行い、任意後見監督人が選任されて事務がスタートします。

違いは、家族等の意思を反映(申立人の意向とは違う第三者が後見人に選任される場合もある。)するのか、自分の意思を反映するのかの違いがあります。

残念ながら、後見人が必要であるにもかかわらず、後見制度の利用が余りにも少ないというのが現状のようです。

介護保険制度と成年後見制度は車の両輪のようなものと言われながらも、厚生労働省管轄の介護保険制度はよく利用されているが、法務省管轄の成年後見制度は知らないという人が多いのではないでしょうか。
ピーアール不足もあるとは思いますが残念です。

介護保険では、ケアマネージャが親身になって相談に応じ、介護に欠ける状態であればかなり速やかに必要なサービスを受けることができる。しかし、成年後見開始申立には、申立人による煩雑な書類作成や資料収集が必要となり、審判を選るまでに2~3ヶ月(制度が始まった頃は6ヶ月近くかかっていたこともある。)見ておく必要があるようです。

こういう対応の違いも利用が少ないのかもしれない。

判断能力が衰えたときの備えとしては、自分に判断能力がある元気な内に、任意後見契約公正証書を作成しておくことではないでしょうか。

この任意後見契約書は、財産管理等の委任契約書と別々に作らず、一つの契約書として作成することもできます。

SNSでもご購読できます。